カメラ

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「くそっ!」 「どした?」  思わず声を上げると、女子と話しをしていた高山が反応した。 「何でもない!」  スマホの画面を切り替え検索を始める。 「またフォトコンに落ちたのか?そんで次のフォトコン探してんのか?」 「うるさいな!邪魔するならあっち行けよ」 「いや邪魔じゃなくて、先輩達来たぞって教えたいんだが?」  言われて顔を上げると、先輩達が入ってくるところだった。ミーティングが始まる。俺は席を立ち、指定の席に移動した。 「えっと…陸上部から予選会の撮影依頼が来てます。来週の日曜日です」  部長が紙を見ながら読み上げる。 「これから運動部の試合が多くなるので、撮影依頼も増えると思います。持ち回りは詳しい日程が来てから決めたいと思いますが、勉強になるんで一年生は積極的に行ってください」  部長が俺達の方を見て言う。部長は持ち回りと言ったけど、俺は全部の部の撮影に行きたいと思っている。 「それから…」  ぺらりと紙を捲った。撮影依頼の話は終わったようだ。 「この前も言ったけど、文化祭でやりたいことを考えておいてください。例年通りだと写真展示になりますので、展示テーマを考えておいてください。以上です」  ミーティングが終わると、みんな思い思いのことを始める。先輩達の中には、早々に帰る人もいる。  これが、俺が入った写真部の現状。  毎週火曜日に部室に集まる。話し合いの後は、各自好きなことをして過ごす。写真は撮らない。  俺は今日も、落胆のため息を吐いた。
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