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姉の証言
伽耶という一つ下の妹がいる。ウチは全然厳しくなくって、習い事をたくさんさせるとか勉強は常にトップでいろとか、そういう感じではない。けれど伽耶は家族にも敬語を使うしテストなんかはずっと1番だった。容姿も親に似ていない。まぁ私も似ていないからなんとも言えないけれど。伽耶はウチの突然変異だ。
「伽耶、またその服着てんのか」
父さんはなんていうか、古い人間。保守的で、新しいものが嫌い。何でも否定から入り、ごめんなさいとありがとうが言えない。
私も伽耶も父さんを嫌ってはないけれど、なかなかつまらない人だと思っている。
「別に良いじゃん」
「いやぁ、どうだか」
父さんが笑う。確かに伽耶は服に執着を持たないけれど、どうだって良いだろうに。父さんなんか、服は2パターンくらいしか持っていないだろうに。
チラ、と伽耶を見ると、伽耶は手に持っていた本をパタンと閉じて父さんを見た。
「男は不変がお好きでしょう」
ただそれだけ言って、伽耶はフンと知らん顔して自分の部屋に行った。とんでもない皮肉を言ったのに父さんはイマイチ理解していない風だった。
伽耶は頭が柔軟だから面白いことを言う子だけど、面白いのと同時にやっぱり怖いと思った。
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