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結論
望月伽耶が死んだ。首を吊って、家で冷たくなっていた。大層な遺書も見つかっており、自殺とのことである。死の理由は書いていなかったそうな。
誰もが何故、と言い悲劇的な彼女を弔った。けれど、教師と姉とその他少しの頭が足りている者たちは、彼女にしてはつまらない死に方だと思った。
自殺なんて悲劇的かもしれないけれど、小さな世界に限らなければ自殺者など五万といる。バケモノの割にあっけないなぁ、と彼女の遺影を見ながら思った。
しかし彼らは大切なことを失念している。望月伽耶は確かにバケモノだったかもしれない。しかし、何一つとしてバケモノ染みたことを成し遂げていない。非凡な物言いをしたけれど、偉そうに話を垂れるなど誰でも出来る。
伽耶はまだ14だったから少し特別に見えただけであった。海を知らず人の死をらしくない、つまらないとの烙印を押せる蛙たちの方が、よほどバケモノである。
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