episode 14. オーロラの下で

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* * * * * 「まだだ。まだ強さが足りない」  ペルルグランツは、銀色の髪がほつれるのも構わず、雪の上に魔法陣を描き続けていた。その指示通りに、雪だるまの形をした魔導人形(ゴーレム)たちがせっせと雪を積み上げていく。静かにまたたく星空の下、暗い執念の灯が刻一刻と形を成していった。  昼間に、計画を外国人(よそもの)に邪魔されたことで、彼はひどく気が立っていた。 「あいつらにも、誰にも邪魔されない、強力なゴーレムを作るんだ。見ていろ、次は騎士団長に正義の鉄槌を食らわせてやる…!」  林に響き渡る哄笑(こうしょう)を聞くものは誰もいなかった。
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