1章 1話 春がくる

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1章 1話 春がくる

寒い…寒すぎる… まぁ12月なんだから当たり前なんだけど… マフラーも3重で巻いて防寒着重ね着してる私まるでどこぞの緑と赤のキャラクターみたいにもふもふしてる… あ、申し遅れました。 私の名前は佐藤みゆき。26歳。 みゆきはひらがなで親がつけてくれました。 書きやすいように…だそうです。 よっぽど頭悪く産まれてくると思われたのでしょうか…? 実際頭は弱い方ですが…ゲームに関しては強い方だと思ってます😉 そんな私の職業は地元の工場。 フィルム関係のお仕事で、毎日発注された指示通りにフィルムをカットして梱包するだけの作業… 人とあまり関わらなくてすむし、定時で帰れるしで、私にはピッタリの仕事です… まぁ本音言うと仕事したくないし、一日中部屋にひきこもってゲームしてたいです。 でも最近親がもう26なんだから、いい人の1人くらいいないのかとか、もうお姉ちゃんは結婚して子供2人もいるんだぞとか、弟ですら彼女がいるのにとかそんな事ばっかり。 私だって彼氏作れるなら欲しいけど実はこの歳になって1人もできたことありません。 別に興味がなかったとかそーゆんじゃなくて私がブサイクだし、まず人と関わるのとかこわいし… 出会いなんて1つもないし。 ビーーーーー 班長「みゆきちゃん定時だからもうあがっていいよ」 みゆき「あ、はい。お先します。お疲れ様でした」 工場おばさん達「みゆきちゃんお疲れ〜☺️」 工場おばさんA「みゆきちゃん!みゆきちゃん!お菓子持ってきな!」 みゆき「あ、ありがとうございます」 工場おばさんB「みゆきちゃん毎日定時で上がるけどデートかしら?若いって羨ましいわ〜」 みゆき「あ、いえ、別に…」 工場のおばさん達はめんどくさい。 お菓子くれたりとかジュースくれたりとか優しい面はあるんだけど、彼氏がどうこう、若いがどうこうって…彼氏なんて1度も縁はないわ!!! って言ってやりたいけど言う勇気もないし、言ったところで息子紹介するとか、お見合いセッティングしてあげるとか言われそうだから何も言わない。 ???「み、み、みゆきちゃ…」 みゆき「は、はい…?」 ???「あ、あの、あの飯行かない?俺20時で終わるし車とか出すし、あ、俺の車みゆきちゃんのやつより広いしカッコイイし乗ってて悪い気とかしないし、連れてくお店とかもみゆきちゃんみたいな子は食べたことないようなとこ連れてこうかなって思ってたし、後それから…」 みゆき「結構です…お疲れ様でした」 このちょっとキモイ喋り方するスーパーデブは猪﨑智也さん。私より先に入ってて私と同い年。 顔もニキビだらけで脂ぎってて、私よりクーラー近い位置にいてどんだけ汗っかきなのってレベルで汗かいてて、そして臭い。 出会いがないとは言ったけど、こんな人は勘弁して欲しい…私だって選ぶ権利くらい…ないか。 私も人の事言えないよね… でも猪﨑さんと食事するくらいなら2次元で充分だし、私のタイプハイアンドローにでてくる村山良樹(山田裕貴)みたいな人がタイプだし… メンクイなのはわかってるけど、妥協するくらいならずっと1人でいい。寂しいとか別に感じないし。
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