4 止まない雨

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4 止まない雨

嫉妬が雲となり 恨みが雨となる 愚者たちの言葉が 稲妻のように降り注ぐ 折れた傘にすがりつき びしょ濡れになった身体を震わせて 君はまだ耐えるしかない 吹き荒れる風に ボロボロになった心を 開くこともままならない双眸を 届かない声を震わせて 耐えしのぐしかない 心折れた者を見てきただろう 罪なき血の涙を流した者を見てきただろう 嘲笑う愚者たちが 荒れ狂う空から今日も獲物を探している だが、いずれ雨は止む 泥濘んだこの大地に、轍さえないこの道に 力強く踏み出す時が来た 君の足跡を刻みこむ時が来た
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