プロローグ

11/23
前へ
/41ページ
次へ
つぷ、タイセイは、何をとち狂ったのか、全く解さずに俺の息子を自分の後ろにあてた。 「っおい、お前何考えてんだ」 タイセイを見れば、目は据わってるを通り越して狂気が浮かんでいた。息が何故か上がって頬が紅潮している。 そして俺に馬乗りになったまま、全体重をかけてぶっ込んできた。 「っあ゛あ゛あ゛ーーーー!!!」 「ぅう、っがっ、」 タイセイは獣の雄叫びみたいに叫んでた。目には涙が浮かんで、精悍な顔は子供みたいに涙と鼻水でテラテラしていた。そのアンバランスさが、タイセイから余計に色気を滲ませていた。 痛かった。タイセイの方が何十倍も痛いだろうが、こっちだって無傷でいられない。それが良かった。どっちかだけが苦しいんじゃなく、お互い何かしらの傷を負う。俺は、たしかに今生きてセックスをしてるんだと、いつ殺されるかも分からないこの状況で実感した。
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

99人が本棚に入れています
本棚に追加