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「ハルちゃんって呼びなさい、っていっつも言ってるでしょ?」
やれやれといった様子で腰に手を当てた女、否、オカマは、ハルオといって、俺のよく行くバーの店主だった。
女と紛うほどの美貌と、ハスキーで低い声のギャップは、かなり人気だった。今は何故か、女の能面を付けていた。取ればいいのに。
「なんでここに…」
タイセイは、ハルオの姿を見ると、引き止める間もなくすぐに出て行ってしまった。何なんだ、ここではルールが存在してるのか?
「なんで?おかしなこと言うのねぇ」
やっぱり躾が足りなかったのかしら。
そう言って、ハイヒールをコツコツと鳴らしながらこちらへ向かってきた。
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