プロローグ

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ハルオが「噛んで」と言って白くて綺麗な首筋を差し出してきた。コイツが俺に求めていることが何となくわかったように思えて、俺は思いっきりハルオの首筋に噛みつき、歯を食い込ませた。 「…っぐ、ぅ…」 ハルオがうめく。俺の肩に指を食い込ませる。 レンのように上手く血は出なかったが、あざ程度にはなったんじゃねぇか。顔を上げれば、ハルオは案の定、満たされた顔をしていた。 「……あぁ、俺の宇一。お前だけを愛してるよ」 そう言われてしまえば、もう後には引けない。俺の手首に巻きつく鎖が、全身にまわったような錯覚を覚えた。
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