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「…今度は誰だ?」
疲れたし腕の痛さが尋常じゃなくて、俺は投げやりに答えた。どこもかしこも痛いし、体は同じ体勢を続けてるからか、バッキバキだった。
「……」
相手は黙ったままだし、一歩も動こうとはしなかった。
ぶっちゃけ、今までの面子の中で一番やりにくかった。感情を表すでもなく、返答を返すわけでも、行動で何か示すわけでもない。あくまでこちらしか行動できない、打っても返ってこないのは、俺の苦手なタイプだった。
まぁ、これでちょうどいいのかもしれない。
何分続いたのか、沈黙が場を支配したときそう思った。今までめちゃ振り回されてんだ、ここで自由にしたって、バチは当たらないだろ。
そう考えると、何故だか急に眠くなった。俺が気づかないだけで、緊張してたのかもしれない。
重くなる瞼に逆らうことなく、俺は目を閉じた。あの突っ立ってる男がどうしているかなんて、知ったこっちゃなかった。
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