プロローグ

23/23
前へ
/41ページ
次へ
「…今度は誰だ?」 疲れたし腕の痛さが尋常じゃなくて、俺は投げやりに答えた。どこもかしこも痛いし、体は同じ体勢を続けてるからか、バッキバキだった。 「……」 相手は黙ったままだし、一歩も動こうとはしなかった。 ぶっちゃけ、今までの面子の中で一番やりにくかった。感情を表すでもなく、返答を返すわけでも、行動で何か示すわけでもない。あくまでこちらしか行動できない、打っても返ってこないのは、俺の苦手なタイプだった。 まぁ、これでちょうどいいのかもしれない。 何分続いたのか、沈黙が場を支配したときそう思った。今までめちゃ振り回されてんだ、ここで自由にしたって、バチは当たらないだろ。 そう考えると、何故だか急に眠くなった。俺が気づかないだけで、緊張してたのかもしれない。 重くなる瞼に逆らうことなく、俺は目を閉じた。あの突っ立ってる男がどうしているかなんて、知ったこっちゃなかった。
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

99人が本棚に入れています
本棚に追加