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レンは、暫く動かなかった。俺の手首を痕が残るほど強く掴んだまま、凍った人形のようだった。
でも、俺がレンの肩を揺さぶったり、頬をペチペチと軽く叩くと、また動き始めた。
「お粥、ダメにしちゃった。作り直してくるね」
そう言って、ニッコリ笑うと、なぜか俺の手首を掴んだまま扉へと向かう。鎖にある程度余裕があるとは言え、扉に辿り着ける程じゃない。せいぜい1mくらいだ。この男、もしかして気付いてないのか？
「レン、手ぇ離せ。俺が鎖嵌めてんの見えねぇの？」
そう言うと、レンはハッとして気付いたようだった。が、依然として俺の手首を話す様子はない。それどころか、力を込めて何事もなかったかのように前に進み始めた。
「っ、だから鎖！ついたま「このまま、進んでみる？」、は？」
クスリと笑うレンは、悪魔みたいだった。
俺はヤツが何を言っているのか理解できない。
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