プロローグ

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「お前だれ?」 「…わかんない?」 その面の下からは、か細い声が聞こえる。やっぱ男の声だった。どっかで聞いたことあるけど、名前と顔が思い出せねぇ。「うん」って言ったら、いきなり張り手されたんだけど。いってぇわ。そのまま俺の上に馬乗りで乗っかってきた。これがセックスの前ならサイコーのシチュエーションなんだけど、生憎このあと殺されそうだ。 「俺のことどーすんの?」 「……一生閉じ込めて、僕たちのものにする」 「たち?」 そしたらまた張り手が飛んできた。グーよりいてぇかも。こいつ、どこで地雷あるかわかんねぇな。もちろん、鎖のせいで抵抗なんかできやしないからされるがままだ。する気もないが。
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