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「このまま僕が一歩ずつ進んでみたら、宇一の身体、どうなっちゃうんだろうね」
やってみようか。
料理を作ろうみたいなトーンだった。人の身体を壊そうとすることと、料理をすること。それを同レベルのこととして捉えているかのようなコイツの頭が恐ろしい。
しかも、こうしている間にも有無を言わさずレンは扉に近づいている。鎖が徐々に張ってきて、折れた左腕が横に伸びていくのが分かる。
「頭おかしいんじゃねぇの…」
俺はレンに手を引かれるがまま。抵抗なんてこの不利な状況ではできやしない。
「知ってる。宇一限定にだけどね」
そう言って笑ったレンの顔は、施設にいた頃の笑顔と何ら変わりなかった。
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