名前の理由

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それくらいならと頷くと、レンは途端に笑顔になって抱きついてきた。 「ありがとう、宇一。僕、幸せ者だ」 俺は幸せだとは思わないけど。その言葉は口の中で飲み込んだ。 そして、やっと自覚した。 ここにいる間、俺は自由や幸せを手に入れることはできないんだ、と。 俺には死にたい理由しか浮かばなかった。
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