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第二章『四人のイレブン』
三日後、ナオ達は再びレナの家に集まることになった。
「おじさん、四人のこと調べてくれましたか?」
前回と同じメンバーが全員揃うと、早速ナオが吾一に聞いた。
「さすがにプライベートな事は詳しくは分からないが、一応調べたよ。佐恵、あれを」
吾一はそう言うと、佐恵が持ってきた一冊のファイルを受け取る。
「ここにはその四人のことを調べた結果が載っている。個人データも載っているから、君達に見せるわけにはいかないが、君達が知りたいことには、おそらく答えれると思う。だから何でも聞いてくれて構わないよ」
吾一の言葉を聞いて、さすがに個人データが書かれているものを無理矢理見せてもらうわけにもいかないので、みんなファイルを見るのは諦めたようだが、内心では「見てみたい」と思っているに違いない。
もちろんナオもその一人で、ファイルが見れないことを口には出さないが、心の中では残念がっている。
「それでは一人ずつ教えて下さい」
こういう時は、いつものようにトモが話題をスタートさせる。
「まず一人目は、専務の山本五十六君」
吾一が名前を言うと、すかさずリナが聞く。
「いそろく?どんな字を書くんですか?」
「漢数字の五、十、六だよ」
吾一は手帳を取り出しテーブルの上に開くと『五十六』と書き、みんなに見せた。
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