第二章『四人のイレブン』

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しばらくして 「もぉ、みんな真面目にやろうよ。おじさま、すいません」 トモが一応みんなをたしなめる。 「いいんだよ。私達も笑わせてもらったし」 吾一が笑顔で言うと、隣にいる佐恵もニッコリと微笑む。 「山本専務ってどんな方なんですか?」 トモが話を元に戻し、質問した。 他のメンバーもようやく先程の笑いがおさまったようで、吾一の方に顔を向けている。 「山本君は有能な人物で、我が社を支えてくれていると言っても過言ではないんだ。元々、ライバル会社にいたのだが、彼の仕事ぶりに私が惚れて引き抜いたんだ。いわゆるヘッドハンティングだよ。彼は我が社に入ってからも本当によく頑張ってくれていて、私の目に狂いはなかったと今は思っているよ」 吾一はきっと山本を心から信頼しているのだろう、とナオは思った。 その表情がそれを物語っている。 「じゃあ、山本専務には疑わしい事は無いんですね?」 再びトモが聞いた。 「それは・・・」 吾一の顔からは先程までの表情が消え去っている。
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