第二章『四人のイレブン』

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(「お前パチスロに興味あるのか?」) ナオがマサに小声で聞くと (「まぁな。大人になったら、まず最初にやるんだ」) ニヤッと笑いながら言った。 (「ギャンブルはやめた方がいいぜ」) (「大丈夫だって。だいたい人生だってギャンブルみたいなもんじゃねぇか」) そう言うと、マサはまた氷を食べ始めた。 (人生がギャンブルか・・・まぁ、確かにそう言えなくもないかなぁ。いい方に転べばいい人生を歩めるし、悪い方に転べば悪い人生。あの時あぁしとけばよかったなぁ、なんて後悔することもあるし、人生の選択もギャンブルの一つかもな。・・・いや、やっぱりそれは違う!人生にはやり直しがきくけど、ギャンブルは一度結果が出たらもうリセットは出来ないじゃないか。そう考えると、人生も失敗を後悔するんじゃなくて、その失敗を活かして次には成功させようとする気持ちが大事で、だからといって失敗を怖れるのではなく、たとえ失敗しても挑戦することが大切なんだ!チャレンジしないで後悔するよりも、チャレンジして後悔する方が絶対いい!チャレンジなくして成功なし!・・・ちょっと待てよ、じゃあ、ギャンブルも大当たりを狙うんだったら、失敗を怖れずチャレンジした方がいいってことにならないか・・・あぁ、も~分かんねぇ。人生なんて一七の俺にはまだ分かんねぇよ・・・) と、ナオが人生について一人思い悩んでいる間も話は進んでいて、 「ギャンブルにハマっているってことは、もしかして借金もあるんじゃないですか?」 マサに代わってタカが質問している。 「私には無いと言っていたんだが、調べさせた所によるとどうやらあるようなんだ」 「そうですか、やっぱり借金があるんですね」 タカはそう言うと、また一人の世界に入り始めた。
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