第二章『四人のイレブン』

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「これで四人のことがだいたい分かったわね」 トモは土勢のことをメモし終わると、手帳を閉じながら言った。 そのまま手帳を直そうとしたが、タカに声をかけられる。 「もう一度四人のこと確認したいから手帳見せてくれないかな?」 ついさっき一人の世界に入ったと思っていたタカだったが、トモの手から手帳を受け取ると、ペンが挟まれているページを開いた。 そこには吾一が話した内容が分かりやすく書かれてある。 ナオも所々聞いてない部分があったので、タカの横から手帳を覗くことにした。 そうしたら自然と他のメンバーも集まってきて、結局六人で見ることになり、トモの手帳はテーブルの上に開いたまま置かれた。 錦夫妻はどうやら違う話をしているようだ。 「なぁ、イレブンは社長になりたいんだろ?」 暫く手帳を眺めていたマサが唐突に言った。 「そうに決まってるじゃん」 リナが当たり前のことを聞かないでよ、といった感じでマサに答える。 「でもよぉ、たとえおじさんが社長辞めたとしてもよぉ、イレブンが確実に社長になれるってわけじゃねぇだろ?」 「そういえばそうよねぇ・・・むしろなれない確率のほうが高いんじゃない?パパに指名されてるならほぼ確実だけど、この四人はパパに目をかけられてるだけで、次の社長にするなんて言われてないんだし」 レナもマサの意見に同調する。 「そうかぁ、そうなると目的は社長になることじゃないかもね・・・ということは・・・出世か!分かった、イレブンは出世したいんだ!」 タカが何かに気づいたように叫ぶ。 その声にビックリして、錦夫妻もナオ達の方にやって来た。 「一体どうしたんだい?」 吾一がタカに聞く。
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