第一章『脅迫状』

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ところで、この毛頭羽が遅刻をした生徒に課す罰というのは『スネ殺し』と呼ばれている。 毛頭羽は剣道部の顧問で常に竹刀を持ち歩いていて、態度の悪い生徒などを叩くのである。 そして授業の時も持って来て、遅刻をしてきた生徒などのスネを叩いていた。 普通は一回で終わるのだが、反省していない者に対しては容赦なく叩いた。 この『スネ殺し』に泣かされた生徒は大勢いる。 ある時、この『スネ殺し』に泣かされた生徒の親が学校に文句を言いに来たことがあったが、校長によってうまく丸め込まれてしまった。 これでは生徒は泣き寝入りするしかないかと思われたが、ただ一人未だにこの『スネ殺し』に対抗して遅刻し続ける生徒がいた・・・そう、ナオである。 ナオは『スネ殺し』をされる時は、いつもスネに何かを仕掛けていた。 ある時などは、スネにトマトケチャップを仕込んでいて、毛頭羽にスネを叩かれると同時にトマトケチャップが飛び散り、教室中が大パニックになったことさえあった。 そんなこともあり、ナオと毛頭羽のバトルは学校中の話題になっている。 しかも最近では、毛頭羽がナオにばかりむきになるので、学校が平和になってきているという状況である。
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