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第一章『脅迫状』
・・・高二の夏・・・俺達にとって、忘れられない最高にヤバイ夏になった。
「ねぇ、レナのことで相談があるんだけど・・・」
マンガを読んでいたナオが顔を上げると、目の前にトモが立っている。
ここは、運動場の片隅にある桜の木の下。
春になると桜が満開に咲くのだが、夏休み間近のこの時期だと寂しいものである。
しかし、ちょうど日陰になる位置にあるので、ナオは結構気に入っている。
「レナがどうかしたのか?」
寝そべってマンガを読んでいたナオは、起き上がると制服に付いた泥をはらいながらトモに聞いた。
トモ、本名は外畑トモ。
ナオの実家、町下書店の隣にある外畑歯科の長女。
明るくて可愛らしく、クラスの男子からの人気も高い。
家が隣ということもあってナオとトモは幼い頃から仲が良く、小・中・高と一緒で、高校に入ってからはナオが入部したサッカー部のマネージャーもやっているので、お互いのことは何もかも分かっているような仲だ。
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