双子

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俺は4人家族で父と母、そして双子の兄がいる。一卵性の双子で、周りから見ると見分けがつかないくらい似ているらしい。しかし中身は別物だ。兄は勉強もできて、スポーツもできる。一方俺は、勉強もスポーツもダメダメで、高校ではいじめにあっている。 父と母も俺には呆れたのか、兄ばかり気にかけている。でも兄だけは俺のことを気にかけてくれるし、俺がどんな態度をとったっていつも優しくしてくれた。 そしていじめの相談を兄にすると、兄が「じゃあ、俺がお前の代わりになる」と言った。 というのは、兄が俺のフリをして一日過ごし、いじめをやめさせてやるということだった。 正直そこまでしてもらわなくても良かったし、いじめがさらに酷くなるのではないかと思ったが、兄のその行為が嬉しくてお願いすることにした。 作戦決行の日 父と母は朝早くから仕事で家にはもういない。 俺は兄よりいつも15分早く家を出て、学校に行く。同級生と登校中に合わないようにする為だ。 俺の格好をした兄は、「任せとけって」と言いながら俺より15分早く家を出た。 15分後、家を出て少し歩いていくと交差点で人だかりができていた。交通事故のようだ。 横目にその現場を見ているとそこに倒れているのは、兄だった。 すぐに救急車が来て、兄は運ばれ俺も乗り合わせ一緒に病院へ向かった。兄は血だらけで、身に耐えなかった。救急車の中で兄は死んでしまった。 持ち物も制服も全て俺のものだったから、病院の人は、俺が死んだと両親に電話で告げた。そこで俺は、驚きの一言を聞いてしまった。「〇〇じゃなくて良かったと」〇〇は、俺の名前だった。 兄という唯一の理解者を失った俺は、我を忘れ、狂ったように両親を滅多刺しにし、殺した。
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