ふわふわのオムライス

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俺が洗濯物を取り込み、たたみ終えた頃に丁度オムライスはできたようだった。なぜわかるのかというと、 「つーばーさー!できたよー!」 そう俺を呼ぶ元気な声がキッチンから聞こえたからである。 ダイニングに向かうと、キラキラと部屋の明かりを反射して輝いているように見えるトロトロのたまごのかかったオムライスがそこにはあった。 2人でいただきますと手を合わせて、一口食べると、チキンライスの旨味とふわふわトロトロのたまごの舌触りが絶妙なバランスで、俺は正直言ってこんなに美味いオムライスを食べた事がないとまで思ってしまった。 「、、、、、、、。」 「、、どう、、かな?口にあうと、いいんだけど、、。」 「、、、、、、、、。」 「えっと、、不味かった、かな?ご、ごめん!どうしよう、、美味しくないから怒っちゃったよ、、。ごめん!!僕もっと料理上手くなるから、、。」 あまりの感動に俺が何も言えないのを悪い意味で捉えたようで凄く焦ったように謝っている。悪いことをしたな、。 「っ⁈わ、悪い、、。変な事考えさせちまったな。今までこんなに美味いオムライス食ったことなかったなと思って感動してた。大袈裟かと自分でも思うんだが、本当に今まで食べたどのオムライスより美味かったもんで。雪、料理上手いのな?なぁ、また雪のオムライス食いにきてもいいか?」 雪は顔が真っ青だったのに、みるみるうちにピンクになり、耳まで真っ赤になった。 行動がかわいいのはどうしてだろうか? 「も、もちろん!こんなのでいいならいつでも!!今まで食べた中は大袈裟な気もするけど、悪い気はしない、な。どんな大袈裟な表現だとしても、美味しく食べて貰えてる事に変わりはないし、気に入ってくれたのなら良かった。」 雪の作るオムライスが俺の1番の好物に認定された事をこの時の雪はまだ知らない。
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