1人が本棚に入れています
本棚に追加
女に連れられてきたレストランは想像以上に高級そうな店だった。
「本当にお前と話をするだけでいいんだよな?後で金請求してきても俺は払えねえぞ。」
「ええ、お話しを伺うこと以外何も求めませんし、当然お代は私がお支払い致します。」
そういうと慣れた足取りで入っていく女の後ろをついていく。
前に出られることに、なんとなく腹が立ったので女の前に出て歩いていると、店に入った瞬間にウェイターのおっさんに声を掛けられた。
「あの、大変申し訳ございませんが、当店ドレスコードがございまして…」
突然止められたので、後ろから入ってきた女に確認する。
「おい、なんかこのおっさんに入店止められたんだけど。」
そう伝えると女がツカツカと歩き、俺の前に出てウェイターに声をかけようとしたが、女よりも先にウェイターが、
「こ、こちらの方はお嬢様のお連れの方でございましたか…」
「そうなの。申し訳ないのだけどお店に入れてもらえないかしら。」
「ええ、それはもちろん。」
そういうと俺に向かって「大変失礼致しました。」と声を掛けてくるので、「次からは気をつけろよ。」と言って寛大な心で許しておいた。
最初のコメントを投稿しよう!