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☆☆☆
大学時代俺と友人の錦田は写真合成にはまっていた。
「上手いな。こんなにもうまく合成できるもんなんだな。」
錦田は機械に強く、画像合成なんて朝飯前、簡単にやってのける。
この日は同じ学部の三山が有名アイドルと道でばったりあって握手してもらった写真を自慢してて鬱陶しいから俺とそのアイドルがハグした写真を作って三山に見せてやろうと計画していた。
「こんだけ綺麗にやったらほんとに撮ったものと思ってもらえるだろ。」
錦田が自慢げに言う。
「でかしたぞ。さすが俺の友人だ。」
そうして印刷した写真を見てふと思いついた。
「なあ、史上最強のイケメン作ってそいつ合成しようぜ。きっとたくさんファボされるぜ。」
錦田が俺の言ってることがわからないと言うような視線を向けてくる。
「人の顔をたくさん合わせて平均的な顔を作れば、顔の癖が抜けてイケメンになるって聞いたんだよ。」
「そうらしいな。」
「そうらしいんだよ。だからたくさんの人の顔を集めて、合成するんだよ。」
「やってる人たまにいるな。」
「そう、そこまではよくやってるんだよ。だから俺たちは昔の人の顔も集めて合成するんだ。」
「昔の人?」
「大学に行ったら昔の偉い人とかの顔写真とか載ってる本があるだろ。それを使って合成するんだよ。究極のイケメンができるぞ。」
「面白いな。やってみようか。」
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