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翌日、公園に行くと便所から猛烈な臭いが立ち込めている。
鼻をつまみながら穴の中をのぞき込むと、あの巨大なおばけ鯉が白色の腹を見せて浮かび上がっていた。
私たちは後ずさりするようにして公園を出た。
その腐敗した匂いは地域で問題になり、便所の老朽化もあり一ヶ月後に取り壊された。
あれから四十年がたった。
今でもあの銀色のウロコが、私の脳裏をふと横切ることがある。
(了)
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