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1.
ふぅ、と誰かが吐息をこぼしたような風が吹くたびに、どこからか声がこだまする。
美しいのに、冷たい世界。
さらさらとした雪が、ただ、風に吹かれて消えていく。
地平線に広がっている、真っ白な雪原。
しんしんと白い雪だけが静かに降り積もる。
―――どうして、幻でしか、作れないのでしょう····
謎めいた声が、繰り返し聞こえるだけ。
生き物の棲めない世界のなかで、万物はゆっくりと凍りつき、やがて透明になり、少しずつ消えるように、雪原へと還っていく。
すべて、さだめの通りに。
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