はじめに(嘘の種類と定義)

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はじめに(嘘の種類と定義)

 黒い嘘とは、偽りと知ってつく嘘。明確に誰かを傷つける。  白い嘘とは、悪意がなく誰かを傷つけないようにと思ってつく嘘。それ自身偽りではないが、真実の重大な部分を省いて言うこともある。  私たち日本人には、黒は悪い、白は良い、というイメージが一般的な感覚だと思う。黒い嘘は悪いこと、白い嘘は良いこと、と思ってしまうのではないか?  良かれと思ってついた嘘は、白い嘘となるのだろうか。相手の感じ方、及ぼした結果、第三者の評価、数年後の評価などによって、色が変わってしまうことがある。  私は、意図的ではないが結果として悪い影響を及ぼしてしまう嘘を「薄墨色(うすずみいろ)の嘘」と定義したい。薄墨色は、訃報を知らせる手紙の墨に用い、あまりよい色とされていない。墨を薄めたような色で、やや薄い灰色である。  他にも、様々な色の嘘があると思う。日常の出来事、感じたこと、気付いたことから、色々と考えていきたい。 黒い嘘に関連したことわざ  嘘つきは泥棒の始まり  嘘八百  人の嘘はわが嘘  嘘をつくと閻魔様に舌を抜かれる 白い嘘に関連したことわざ  嘘も方便  昔から言う事に嘘はない  商人の嘘は神もお許し  嘘から出た実
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