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砂の中から、大きな機械のオサカナでも現れるのかと思った。
カーラジルトが剣の稽古のときに出してくれたみたいな。
七都の感想が聞こえたかのように、三匹の猫ロボットは、いっせいに七都のほうを見た。
それは不気味なくらいに素早く、それでいて、さりげない動きだった。
砂の中から現れた猫ロボットも、釣り糸にぶらさがった状態のまま、七都を見つめている。
七都は、口を押さえた。
声には出していないはずだったが、七都の軽い落胆は、猫ロボットたちにしっかりと伝わったらしい。
もちろん七都がどんな感想を持とうと、それは七都の勝手に過ぎない。
彼らは彼らで、遊んでいるだけなのだ。
どのようなものが砂の中から現れようと、通りすがりの七都には関係ないし、現れたものに対して七都がどう思おうと、彼らの知ったことではない。
とはいえ猫ロボットたちは、気を悪くしたような感じではなかった。
<何か文句でも?>とか、<悪い?>といった開き直った態度でもなく、あるいは<何だよ、こいつ>というような、腹を立てたっぽい雰囲気でもない。
ただ無表情なオパールのような目で、七都をじっと眺めている。三匹とも、全く同じ角度で顔を傾けて。
(し、しまった。無視できなかった……)
七都は我に返り、猫ロボットたちに背を向けて歩き始める。
ロボットたちの視線が、背中にやんわりと突き刺さった。
(み、見られてる……。まだしつこく見ている……。でも、振り返ると、どうせ消えてるんでしょ?)
七都は、勇気を出して後ろを向く。
思ったとおり三匹の猫ロボットの姿は掻き消え、そこには砂以外何もなかった。
七都は、引き続き砂漠を歩く。
低い砂の丘を越えると、七都が来るのを待ちかねていたとばかりに、また銀色のものたちが丘の下に湧き出ていた。
七都はそれを見て、頭を抱えたくなる。
歩く速度も自然と遅くなった。
まただ……。
何かだんだん、見た目のシチュエーションが、微妙にエスカレートしているような気がする……。
最初は、寝ていた七都を輪になって取り囲んでいた。
次は、ずらっと整列していた。その次は、釣り。
そして、今度は――。
七都は、うんざり気味に、真ん前に現れた光景を眺めた。
今度は、UFOか……。
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