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仰向けに倒れ込み慌てて足元を見ると、地面からなにやら粘着質な物体が湧き上がって足をホールドしている。ねっとりと。
「なにコレ、気持ち悪っ! まさかこれがラスボス……!?」
やがてその物体が顔の形になり、足を掴む手になり腕になり、瞬く間にナルシアを押さえつける神父の姿になっていく。
「ククク……ご令嬢、少々オイタが過ぎますぞ。なぜ同じ悪魔の我らにこのような仕打ちを?」
慇懃な笑みを浮かべて、その悪魔がナルシアの上で真の正体を露わにした。
有隣目の目は爬虫類と同じ、頭部には羊のような二本の角。衣をまとわぬ身体は下半身だけが黒い山羊のよう。
「あたしをお前らと一緒にするな。脆弱な人間の汁をすする事しか能がない、悪魔の矜持も持たない下等なゲス野郎ども」
真上のヘビのような眼がギラリと見開いてもナルシアの口は止まらない。
「サタン様の名を騙り、愚かな人間を集めては肉と液にまみれた狂宴三昧。魔界の王は卑しい人間の女など所望しない。サタンの名を貶める下郎を排除せよ……」
というミッションがこのステージ5だ。
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