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このゲームはパズーがナルシアの戦闘訓練の為に作ったモノだ。ついでに魔界で実際に問題になっている事をミッションにしている。
「戻るぞ。全く、こんな低レベルのミッションで俺の手を煩わせるな」
「ごめん……」
パズーの超然とした魔力と妖艶な真の姿。見つめているとナルシアの胸に蜜のような甘さが落ちる。
最初の頃は実戦にも付いてきたのに、最近は滅多にその凛々しい戦いぶりを見せてはくれない。
(いつもこうなら……ケッコンしてあげてもいいのに)
ポッと頬を染めながら地面を蹴ってナルシアはパズーの傍に。
「えと……ありがと。助けに来てくれるなんて思わなかった」
するとパズーがクワッと険しく目を吊り上げた。
「俺だって来たくなかった! 見たくなかった!! こんな……あああ、いやだぁー。俺のナルシアさまがこんなぶるんぶるんでばいんばいん……げぼろろろ」
そう、彼はナルシアの成長した姿を見る事を何より嫌う。嫌悪し、悪口雑言をまき散らし、そして吐く。
「ちょ……! だってボス戦で成長するように作ったのはパズーじゃない!」
「チチ丸出しで騒ぐんじゃねえ! ぶるぶるキモいだろーが!!」
「アンタだってヘビ隠してないじゃない! 露出狂!」
「今は本体だ! いちいち人間の姿の時みてぇに隠すかボゲ!!」
「たまに出て来てるわ! ヒョコっと!!」
熱砂の闇王パズズ。
獅子の鬣、四枚の翼。そして……蛇の象徴を持つ大悪魔。
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