44人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
「もう! そんなにイヤなら助けになんて来なくていい!」
プイッとゲームの出入口に向かうと、その背中にパズーの声が投げかけられた。
「お前が死んだら俺も生きてはいけない」
「え……?」
「ナルシアさままで死んじゃうから」
プチ!とその時、ナルシアは自分の血管が切れる音を確かに聞いたという。
「そりゃそーーだ! ナルシアはあたしだもん!」
「違うぅ! ナルシアさまはナルシアさまで……お前はただのチチましお化け! バケモノだぁ!」
「はあっ!? 誰がチチましのバケモノよ! ほーら、あんたのナルシアちゃんはそのうちこうなっちゃうんだよー。バーカバーカ!」
己の爆乳をパズーに突きつけボヨンボヨヨン。ほのかな乙女心を傷つけられたナルシアはご乱心だ。
「クッ……! 俺の気も知らないで……」
次の瞬間、真顔のパズーがナルシアの腕を掴んだ。
「やっ!? ちょっと離し……!」
ふわりと胸元に引き寄せらせて、夜空を映す瑠璃の瞳がナルシアの目の前に
(……っ)
迫ったと思いきや、そのまま“ぽーい”とゲームの出入口に投げられた。
ゲートをくぐった途端にナルシアは元のちびっ子幼女に早変わり。そのままラグの上に頭から突っ込んでしまう。
「ふがっ!」
続けて戻ってきたパズーはもういつもの執事の姿。
最初のコメントを投稿しよう!