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「クソが……」
カチカチ、カチッ……
「チッ……マジこいつクソだな……!」
カチカチカチッ……グインッカチカチカチカチッ
「そんなもんかよ……あぁ?」
カチカチ……、……カチカチピコカチカチカチカチ……
「殺ってみろよ……おらおら。クソがクソがクソがクソクソクソクソ……!」
カチッ。
「クッソがあああぁぁぁーーーーっ!!」
……チャラリラッチャラ~♪
「……ナルシアさま。ナルシアお嬢様」
背後からの執事の声で彼女はゆるりと振り返った。
「はぁい?」
ふっくらとした頬にサララと銀の絹髪がかかり、大きな翡翠の瞳は清らかな泉のごとし。そのあどけない様は天使のよう。
「おふっ……!」
五歳児の究極の愛らしさに彼は事あるごとにめまいを覚える。そう、まさに“天使すぎる”……が、執事はプルプルと頭を振った。
「なぜお嬢様はゲームをやるとそうお口が悪くなるのですか。嘆かわしい」
ゲーム用映像スクリーンの中には、いま彼女が倒した中堅モンスターの屍に被ってYOU WINの文字が。
「そんなにひどかったかしら? パズー」
悪びれることなくナルシアは心底不思議そうに小首をかしげた。
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