ナルシア❤ギルティア

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「それはもう。そんな悪いお口は消毒せねば。おお! 偶然わたくし、口の中に消毒薬(マウスウォッシュ)を含んでおりました」 「それを私に口移しで、と?」 「よろしいですね!?」 「ヤなこったですわ」 「おふうっ!! ごっくん!?」  期待を見事に打ち砕かれ、ついでに消毒薬(マウスウォッシュ)まで飲み込んで身悶えるのは彼の日常。  パズーは己が仕える幼い姫君をたいそう大事に育て、守り、ギュンギュンに愛で、そして超性的な目で見ている。 「とにかく、もう少しお言葉使いは上品に。あなたさまは幼くともこの公爵家のプリンセスなのですから」  キリリと口元を引き締め、パズーは体勢を立て直した。  へムタイではあるが、黄金(きん)の髪に瑠璃色(ラピスラズリ)の瞳がクールかつ蠱惑(こわく)的。隙のない佇まいで黒服を凛と着こなす彼は相当な美形である。  町へ買い出しに行けば、女たちはパズーとすれ違っただけでズキュン!と(うず)かされ、その場に(くずお)れる。  だが彼にとって、道すがら出来ていく女屍累々(じょしるいるい)などは道ばたの石ころ。あるいは飼い主が回収を怠ったワンコのンコに過ぎないのだ。
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