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「ですから手遅れにならないうちに結婚を」
「手遅れという表現にイラッとします」
「ムラッと!? そのケアは是非ともわたくしにお任せ……!」
血走った眼に可愛い二本指がドプッと目潰し。ふおぁぁ……と掠れた悲鳴を上げるパズーをナルシアは冷やかに見つめる。
「いまさらですけど。本当にパズーはゴリゴリのロリコンですのね」
「いいえ、わたくしはゴリッゴリのロリータコンプレックス。きちんと正確に断定してくださいませ」
すっくと背筋を伸ばし、執事の顔と態度に立ち返るパズーは実にタフな男だ。
「略しただけではありませんか」
「ロリコンという響きは浮ついた流行りモノのような軽々しさがあり、わたくしのそれとは別種と存じます」
そして己の嗜好にプライドを持っている。
「わたくしは朝露の瑞々しさに涙し、新芽の緑に心震わせ、幼女のはみパンに撃ち抜かれる、極めて美意識の高い者なのです」
「はいはい」
「蕾を押し花に! オタマジャクシはホルマリン漬けに! 幼女には成長抑止剤“ヨウジョデイ―ル”注射の義務化をーー!」
をー……WO……ぉー…………。
屋敷内にヘムタイの主張が木霊のように響き渡る……が、これもいつもの事。
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