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「ああパズー。この不毛なやり取りも飽きました。私は早くボンキュッボンの大人になりたい。正真正銘の」
「いけません、断固阻止です。それはロリ神への冒涜というもの」
「まあ、そのような神がいらしたとは」
「私デス」
その時、背後から荘厳なメロディーが流れ始めた。ナルシアが振り返ると、ゲーム用の映像スクリーンの中にまばゆい光の渦が出現している。
「来ましたわ……ステージ5“偽悪魔集会の陰謀を暴け”のボス戦!」
「げ、もうそこまで?」
パズーが心底げんなりする様子とは真逆に、ナルシアの顔は嬉々として輝いている。
「ええ。行ってもよろしい?」
「ご自由に。ボス戦だけはリアルタイムですから後でというわけにもいきませんし。いってらっしゃいませ」
「たまには私の槍さばきを見学なさっては?」
「ボス戦のナルシアさまは見たくありません。あんな……」
ケッと吐き捨ててパズーはあっさり部屋を出て行ってしまった。とはいえ、もうすでにステージ4までクリアしているのだから一人でも不安はない。
「では。いきますわよ!」
ふわりとスカートを翻して飛び込んだのはスクリーンの中、光の渦。それはナルシアの部屋と敵の居る場所を繋ぐ入り口。
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