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その瞬間ナルシアの銀髪がファサッと舞うように長く伸び、身体が時間を先取りして成長し始める。腕と脚はスラリ、胸はプルン!尻はバイン!と。
「コスチュームは前のステージでゲットした“天使の戦闘ローブ”!」
それは魔力を3%増幅させてくれるご褒美アイテム。天使をモチーフにした真白でキュートなミニローブを身に纏い、爆乳を揺らしてナルシアが降り立ったのは。
「……森の中? え、ここって私の隠れ家がある森じゃない。人間界の」
そう。ナルシアは故郷から位相を越えた辺境の地、人間の世界に隠れ住んでいる。
「ここがステージ5の戦闘フィールド? こんな私たちの目と鼻の先で、バカじゃないの」
クッと笑う彼女の視線の先に古びた教会があり、いくつか松明の灯りが揺れていた。建物の中にはすでに人の気配がある。
「こんな集会に集まる人間もつくづくバカね。悪魔の力で何かを得ようなんて。……ま、私は実戦を楽しむだけよ」
このゲーム、ステージごとに異なるミッションを普段はアバターをコントローラーで操作してこなしていく。だがボス戦だけは違う。
「うふふ……探ってる気配がダダ漏れ。それで隠れてるつもり?」
ステージのボスはナルシア自身がその場に赴いて実際に戦う事が出来る。しかも幼女のままでは不利なので成長した姿で。
「さあ、かかって来いやぁ! クソ雑魚ども!!」
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