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工場には父の親戚のおじさんだけになっていたけれど、みんな優しかったから、稔は殴られても頑張って来たんだろうと、思っていた。
でも、それだけじゃなかった事が分かった時、私はどうすればよかったんだろう。
*
「今日はもう終わりだ、稔、全部片付けておけ!」
父は乱暴に言い放ち、裏の自宅へと戻ってしまった。
静かになった工場で稔は黙々と片付けを続ける。道具の片付けが終わると機械に油を差していた。私は伝票の整理をする。
このひと月で工場は完全に傾いた。
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