5人が本棚に入れています
本棚に追加
歩き始めてすぐ、彼女は違和感の正体に気付いた。
どうやら自分が誰かに見られているらしかった。
どこからかは分からないが、視線を感じる。
速足でいくらか進んでは立ち止まって振り返る。
だが、そこには誰もおらず、周囲に動く影も見当たらない。
もう一度歩き出し、立ち止まっては周囲を見回す。
「何なのよもう」
足を踏み鳴らして声を荒げても無駄だった。
このまま家に帰れば、視線の主に自宅を教える事になる。
最後には小走りになったが、視線を振り切ることは出来なかった。
最初のコメントを投稿しよう!