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頭の中で警鐘が鳴る。
大事なら手離してやれと。
傍にいて苦しむなら遠くから亜沙の幸せを祈ってやれと。
未来がないなら夢を見るなと。
「亜沙」
熱く溢れ落ちる涙が理性をなくさせていく。
忘れてほしい。
嫌いになって憎んでもいい、忘れられたくない。
ぶつかり合う気持ちで息苦しくなる。
もう我慢ができない。
理性が効かない。
胸に閉じ込めた亜沙の顔を上向けさせ、無理矢理にくちびるを重ねた。
誰にも渡したくない。
自分以外の誰にも触れさせたくない。
一生、自分のものにしたい。
「愛してます」
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