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俺の報告を聞いて皆様々な反応であったが、比較的落ち着いているようだ。
無関心、冷静沈着、どう取るかは人によるだろう。少なくとも俺の報告内容について各々が精査してるのは間違いないだろう。
話を終えて席につく俺を見てからタカ隊長が全員に対し、問いを投げかける。
「前情報がない状態とはいえカケスを殺し、イスカを退けるだけの力を持つインサイダーだ。捨て置く訳にはいかないが……意見はあるか?」
情報があったところでこちらのカサネを自らのものとする力に対抗する術は限られる。まだ秘めた力を持っている可能性も考えられ、調査も必要だろう。
だがそれ以上に皆が考えている事がある。そこに触れるのはミサゴ副隊長だ。
「件のインサイダーがアウトサイダーの連中と接触する事は望ましくないと思います。先に始末してしまうか、アウトサイダーを壊滅させるか、がいいかと」
アウトサイダーとはこの国の反乱分子、不満を持つ者達が徒党を組んで名乗った組織の名だ。俺達インサイダーに対抗するという意味を込めてアウトサイダー、ということらしい。
奴らはインサイダーの力こそないが国所属だった元騎士などが多く、こちらの手を読んで雲隠れしながら様々な工作活動をしている。曰く、ディンス国元老院は国民に対し重要な秘密を隠しておりそれを探っているのだという。
ミサゴ副隊長の言うようにマティアがアウトサイダーと接触しその力を貸すような事があれば国の脅威となる。
「他の者はどうだ?」
「女一人殺せばいいって事には賛成です、能力を持たない奴らを殺すのも飽き飽きしていた所……許可さえ貰えればすぐにでも」
「ヌエ、お前一人でやれるならば隊長が我々全員を呼ぶ会議など開かない。だが、早めに手を打つという点は俺も同じだな」
自信満々に隊長に意見を述べるのはヌエだ。彼は主にアウトサイダーの追跡と制圧を主任務としているので、マティアという存在を相手取る事は気分転換と言えるのかもしれない。
それにはエナガ先輩が釘を刺すように意見を述べつつも手を打つ事、マティアを始末するのには同意する。
脅威は全て取り除く。国の安寧の為に、国民達の平穏のために。インサイダーはその為にいるのだから。
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