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日奈神子は直感的に危険を感じた。
これこそ、日奈神子が恐れている太陽神様と正波仁のコラボレーション。
だが、他に方法がない上に、冷静に考えれば危険を孕んでいるとは考えにくいので、止めたい気持ちをぐっと堪え、二人に任せて成り行きを見守ることにした。
これまで陽術など試みたことがおありでない太陽神様だったが、実は才能をお持ちだったのか、はたまた正波仁の教え方が上手いのか、数日のうちに見事に写真術を習得なさった。
窓の外に広がる陽世の景色も、不安そうに部屋を覗く日奈神子も、本物そっくりに写せるようになられたため、いよいよ暗黒神様に掛け合って、陰世を写し出そうという段階になった。
陰世側の準備ができ次第、連絡をもらえることになり、太陽神様と正波仁は、それを今か今かと待っていた。
「さて、いかな景色が送られてくるやら、楽しみだな」
「さようでございますね」
二人が何をしでかすやら気が気でなかった日奈神子も、太陽神様の写真術の腕を見てホッと胸を撫で下ろしていた。
これだけ正確に術を為せるのであれば、大きな問題も起こるまい。
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