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 その光景を偶然目撃した陽世民達が、慌てふためきながら次々に送念を始める。 「太陽神殿が闇にのまれてる」 「陽世の終わり」 「もうだめだ」  広大な敷地を誇る太陽神殿が、更に巨大な暗黒の物体に丸ごと圧し潰されようとしている。黒い靄を纏い、雷を迸らせながら迫る様子が、念に乗って陽世中を駆け巡る。  その上更に、絶望した神仕え達が非常事態宣言を出したため、瞬く間に陽世は大パニックに陥った。  太陽神殿は陽世の絶対的な神域。それが闇の力に侵されれば、陽世への影響は計り知れないのだ。 「写し取れました! 日奈神子様!」  正波仁が暗黒神殿の写真を日奈神子に掲げて見せる。 「そんなものが今何の役に立つのです! あれが墜ちてきたら太陽神殿はひとたまりもありませぬ! だから……だから私は、太陽神様とそなたが近づくのは嫌だと申し上げたのです――!!」
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