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 日奈神子が叫んだ瞬間のことだった。  今にも太陽神殿に激突しそうだった暗黒神殿が、瞬時に霧散した。 「き、消えました! 助かりましたよ、日奈神子様!」 「い、いったい、いったいどうなったのです」  そこへ、二人に太陽神様からの送念が届いた。 「すまぬ、もう力が続かなかった。どうだ、写真は写し取れたか?」 「た、太陽神様……」 「写せましたよ! 太陽神様! 素晴らしい写真が出来ました!」  正波仁は嬉しそうに叫ぶ。 「そうかそうか、それは良かった。いやあ、暗黒神からの送念がずいぶん意欲溢れるものだったのでな、我もそれに応えるためにちょっと頑張りすぎてしまったようだ。よもやこんなことになるとは思わなんだが、これで民達も喜ぶであろう。いやあ、良かった良かった」  日奈神子は能天気な太陽神様に内心腹が立ったが、何より陽世の無事に安心したのと、またも振り回されたことに納得がいかないのとで、力が抜けてその場にへたり込んだ。 「あ……日奈神子様、大丈夫ですか?」  正波仁は日奈神子を支えようと手を伸ばしたが、日奈神子はそれを一瞥すると、大きくため息をついて言った。 「もう……、もう本当に、そなたにはこりごりです、正波仁。やはり太陽神殿に迎えるのは取りやめます。その写真も世には出しませぬ。民達にこの記憶を残し続けるわけにはゆきませぬゆえ。そなたが陰世へ赴いたことも、他言無用ですよ」  
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