若さと情熱の賜物

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部屋に戻りシャワーを浴びると、予め注文しておいた一番安いシャンパンと小さめのショートケーキで、僕達しか知らないささやかな乾杯をした。柄にもなく緊張していたのか、僕は割と早い段階で酔いが回った。因みに涼子はザルなので終始シラフだったらしいけど。ズルくない? どちらから何を言うわけでもなくダブルサイズのベッドに入る。恥ずかしいから灯りは消して欲しいらしい。深い闇と静寂が五感を刺激する。 僕達は大きいベッドを有意義に使うことはせず、真ん中で抱き寄せあった。 「いい?」短く問う。声は出さなかったが、首を縦に振った感触があった。いじらしい。 ガウンを脱がせ、下着に手を伸ばす。とてつもない威力の爆弾を解体するように細心の注意を払い、真綿でできた鳥を撫でるように優しく、丁寧に。 今までの女性であればそんなまどろっこしいことはせず、乱暴に脱がせて自分勝手に腰を振っていた。だが、この時ばかりは国賓を接待するように心から尽くした。 何時間抱いていたか分からない。時計を見ると午前3時を回る少し前だった。流石にもう寝よう。涼子も疲れ切っていることだろう。「続きは朝起きてからにしようね」低い声で囁く。「もう、変態」照れながら言う彼女を見てまたムラムラした。 0.01mmの薄さで6個入りのアレは一泊二日で使い切った。これは武勇伝としてたまに友達に自慢していたりする。若さと情熱の賜物だ。
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