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大学では、まおは栄養学科を専攻していた。
将来、高齢者向けのメニューを提供する
飲食店を構えたいと、夢見ているからだ。
祖母と暮らす中で芽生えた、まおの夢だった。
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「桜井さん、授業終わったら真っ直ぐ帰るの?」
まおが、荷物を持って廊下を歩いていると
後ろから急に声をかけられたので
驚いて振り向いて見ると、最近良く講義で
まおの隣に座っている女子が、ニコニコと
笑って立っていた。
「あ、私はこれからバイト…なんやけど」
「アハハ、ゴメンゴメン! 私は成宮マリコ。マリコはカタカナやねん。よろしく〜」
「あ、は、はい。こちらこそ、桜井まおです」
「知ってる、知ってる〰(笑)まおは、ひらがなやね! 可愛いな〰って思って、いつ声かけるか悩んでたんよ〜」
やたら、グイグイ来るこの成宮マリコに
まおは、少し引いていたが…
マリコのスッキリとしたショートヘアの
真っ赤に染められた髪と、スラッと背が高くて、
手足も長くてモデルのようなスレンダーな
見た目にまおは、見惚れて固まってしまった。
「良く隣に座ってる赤い髪の…」
「そうそう! 覚えてくれてたんや! 嬉しいわ〜」
「面と向かって見たことが無かったから、モデルさんか何か?」
「もぉ〰(笑)お世辞でも嬉しいわ! ありがとうまおちゃん! 良かったら、お友達登録してもらえる?」
マリコにLINEの交換をお願いされて
まおは、スマホをポケットから出して
快く承諾していた。
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