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素人童貞の末路
はぁ・・・・はぁ・・・・・
山はとても冷たかった。
もしここで道に迷ってしまったら、助けなんて届かないだろう。そういう事を考えながら物思いにふけっていたらどうやら山奥の知らないところまで来てしまったようだ。
俺は、あのニュースで話題の行方不明の少女を探しに来た。誘拐説、死亡説が流れているが、どうやら俺の命運もここまでのようだ。
さっきまで、他の救助隊の声が聞こえたがもうすでに何も聞こえなくなっていた。聞こえるのは鈴虫、川のせせらぎ、フクロウの鳴き声。
おーい、、、、
おれは疲労困憊していた。だからか細い声でSOS。助けを求めた。
こんな山奥では100パーセントの大声でも、きっと誰の耳にも届かないであろう。
時間というものは残酷だ、日もだんだんと落ちてきた。
この明かりが消えたのなら、俺の死亡時刻のカウントダウンももう0の針を刺すのであろう。
嫌だ、死にたくない
俺の頭の中に過去の出来事がよぎる。走馬灯でもながれているつもりか。
振り返ってみたら、そんな大層なことはしていなかった。女性とも付き合ったことないし、告白もしたこともない。
成り行きで地元の会社のやっすい所で働いて文句ばっか言っている毎日。
自分で行動を起こした事なんてなかった。
行方不明の少女を探すのも下心のあっての事だった。
少女を犯す事は犯罪だけど、こんな山奥じゃ誰にもバレない。
そういう下心を見越して俺を山は殺そうとしているのかな。
眠たくなってきたよ。。。。
寒い・・・・・・寒すぎる・・・・・
雨が降ってきた。。。
こういう時に限って、洞窟って無いんだな。。。
もう終わりだ。
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