後編

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「うむ。まあ、君を懲らしめてくれと鷹がわしに申し出たんだが、君を見ておると、とても懲らしめる気にはなれん。まあ、鷹が馬鹿だからいかんのだよ。そう思わんかね?」 「御意にござります。何しろ鷹は天まで飛んで行けるかと聞きましたらば、そんなの訳ない、宇宙にだって行けるぞとこう嘯きましたものですから、そんなこと誰が信じるものか!第一、宇宙には空気がないんだ!この、すっとこどこいと僕はひそかに胸の内で馬鹿にして嘲笑ったものです。」 「ハッハッハ!そうか、全くだ。いやあ、面白い。君と喋れて楽しかったよ。」 「そのお言葉、身に余る光栄でございます。」 「うむ。ま、ここはええとこだし、達者で暮らせよ。」 「はい、ありがとうございます。」 「ま、君が高天原で達者に暮らしとると知ったら鷹はさぞ悔しがるだろうがな、ハッハッハ!」と大国主神は大笑いすると、筋斗雲紛いに乗って然も愉快そうに下界へ帰って行くのでした。
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