写真の包丁

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写真の包丁

 小山田は女癖の悪い奴だった。  ちょっとでも可愛い女の子を見ると口説きにかかり、体の関係までもっていって飽きたらぽい。  そういう事を繰り返す男だった。  彼の性質の悪いところは、それを人に話したがるところにあった。  こちらは別に聞きたくないのだが、彼は武勇伝か何かと勘違いしているようで、やたらと語りたがるのだ。  ただのクズエピソードなのだと何度言い聞かせても「僻みは醜いぞ」などと言って笑う男であった。  僕は彼と同じアパートに住んでいたため、彼的武勇伝披露の被害にはしょっちゅう遭っていた。  腕っぷしが強く、すぐ暴力を振るおうとするのが面倒で、門前払いもし辛いのが実情だった。
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