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この日も彼はうちに来て、べらべらと喋った。
「この間の女は実に陰気な奴だった。ゾロッとした黒髪が見るからにうっとおしい女だったな。まあ、たまには毛色の違うのも良いかなと思ったわけさ。写真が好きらしくてね、その話で釣ったらあっさり引っかかったよ」
彼は下品な笑い顔で語り始めた。
「ところが、うちに来ても本気で撮った写真には魂がこもるとか、そういう訳の分からん話をしやがるもんだから、さっさと脱げと言ってやったわけさ。そしたら何と言ったと思う?」
「知らんよ」
「そんなつもりは無しなどと抜かしやがるんだ。生意気だったから女のカメラで恥ずかしい写真をたっぷり撮ってやったんだ」
酷い話だ。胸がむかむかする。
「結局、最後には股を開きやがったんだ。泣いてたけどな。まあ、こっちはそんなのお構いなしだ」
大笑いする彼の声に耳が腐りそうな気分だった。
耐えかねた僕は、彼をコンビニに誘った。
「喉が渇かないか? ジュースでも買いに行こう。奢るよ」
「ちっ、しょうがねぇ。良いところなのに」
そう言いながら、彼はいそいそと立ち上がった。
奢ると言えば大抵動く。そう言う点では扱いやすい男でもあった。
外道行為の詳細など聞きたくないのだこっちは。
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