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翌日。
僕は部屋のノックで目を覚ました。
時計は午前の十一時を指している。
「はいはい……」
寝ぼけ眼でドアを開けると、難しい顔をした男が二人立っていた。
名乗ったところによると、二人は刑事という事だった。
「実は、ご友人の小山田さんが亡くなられまして」
「へっ?」
寝耳に水とはこの事だ。
寝ぼけていた頭は覚醒を通り越して混乱した。
「なんでまた……」
「それが、どうやら何者かに刺殺されたようなのです」
死んだという事については驚いたが、死因を聞くとあまり不思議には感じなかった。
「貴方が最後に被害者と接触したことになるのですが……。その時、何か変わった様子などは……」
僕は首を左右に振った。
嫌な奴だったが、殺したいなんて思った事もない。
刑事の口調は丁寧だったが、その目つきは疑いに満ちていた。
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